創業者の娘であるサン・ノルガード(Sanne Nørgaard by greencotton Managing Director)が父を語る

グリーンコットンは、ノボテックス社の創業者である父、ライフ・ノルガードが生み出したブランドです。1983年にノボテックス社を始めて間もなく、父は、繊維産業が持続可能ではないことに気づきました。その問題を解決しようと、1986年には新しい機械を開発しました。この機械は、技術的に縮みにくい生地の製作を可能とするもので、この技術によって、洗濯時の縮み防止用に従来使用していた多くの化学製品の使用を減らすことができました。この発明から、”グリーンコットン”というコンセプトが生まれました。

最左)Mr.Lasse Simonsen  最右)Dr.Leif Norgaard

ノボテックス社は”グリーンコットン”によって多くの賞を獲得しましたが、父は、これでゴールに到達したとは到底思っていませんでした。彼は、T-シャツのライフサイクル分析を行い、他にも改善できる工程があるはずだと研究を重ねました。ライフサイクルのステージ毎に、例えば「ミシンオイルはノンシリコンであるべき」といった細かな過程まで含めて基準を決めていきました。この壮大なプロジェクトに、後のグリーンコットングループのCEOとなるラッセ・シモンセンが環境管理マネジャーとして加わることになり、EUエコラベルを取得するまでに至りました。

また、トルコに土地を購入し、オランダの農家の人々と一緒にオーガニックコットンの畑を造りました。そしてそこで生産されたオーガニックコットンの原料として、1991年に業界で初めてオーガニックコットンT-シャツを製造しました。T-シャツのロゴは有名デザイナーのキャサリン・ハムネットが手掛けました。”GREEN COTTON NOW “と書かれたこのT-シャツは世界中に流通し、衣類とサステナビリティの関係について人々に気づかせるきっかけとなりました。

90年代、ノボテックス社とグリーンコットンは多くの賞を受賞しました。先進的な環境保全の取り組みと同時に、環境管理の面でも評価されてきました。私たちは、ラベリングや環境管理システム等、マネジメント面を重要視しています。ただ環境に配慮すると宣言するだけで、次のゴールや目標値をもたなければ、将来に向けた改善はできないからです。

私の父は、自然を愛する人でした。オリエンテーリングやゴルフ等のスポーツを好み、常に屋外で過ごすことが大好きでした。きっと繊維産業のように環境に負荷の高い産業で働くことに耐えられなかったのでしょう。それがゆえに、父はその環境を自らの手により変えていったのです。