皆さま、いかがお過ごしですか? 

デンマークはロックダウンが続いていて静かな日々です。が、我が家は1月下旬が誕生日ラッシュ。誕生日のお祝いをしながら楽しく過ごしています。

デンマーク人にとって誕生日はとても特別な日です。家庭でも保育園・幼稚園でも学校でも職場でも、誕生日を盛大にお祝いします。今回のSTORIESでは、デンマーク人の誕生日のお祝いの仕方についてお届けさせていただきますね。

最初に、デンマークで誕生日に欠かせない必須アイテムについてご紹介します。まず、デンマーク国旗です。不思議に感じるかもしれませんが、デンマーク人は小さな祖国とその国旗をこよなく愛していて、お祝いのときには必ず国旗が登場します。

デンマーク国旗はじつは世界最古の国旗で、デンマーク国旗のクロスから北欧諸国共通のスカンジナビアクロスのデザインが誕生したそうです。

それから、誕生日プレゼント、誕生日カード、手のひらサイズの丸型のパン、ココア(生クリーム付き)、ケーキが必須アイテム。普段からパンやお菓子を焼くのが大好きなデンマーク人は、パンもケーキもできるかぎり手づくりします。

丸型のパンは半分に切ってバターを塗ります。もちろん、ココアも手づくりする人もいますが、市販の人気ココアもあります。マチルデという女の子のイラストが描かれたこちらの商品です。

こちらは先日子どもたちと一緒に作ったケーキです。飾りつけは子どもたちが担当しました。

デンマークの誕生日で一番驚いたのは、朝の寝起きからお祝いする習慣です。家族の他のメンバーは朝早めに起きて、こっそり準備を始めます。プレゼントを用意して、みんなで国旗を振ってデンマークのバースデーソングを歌いながら寝室に入り、歌が終わったら「お誕生日おめでとう!」とプレゼントを渡します。こんなふうに誕生日の朝を迎えるのはとても素敵で、いい1日、いい1年のスタートを切ることができます。

普段よりも少し贅沢な朝食を食べた後は、保育園・幼稚園・学校に手づくりのパンやケーキを持参したりします。また、クラスメイトを家に招待して誕生日会を開催することもあります。

クラスメイトを家に招待する場合、トラブルを招かないように原則として全員を招待するか、性別で分けて招待するので、大人数が集う一大プロジェクトになります。事前に招待状を出して出席者を確認し、当日は手づくりのパン・ケーキ・軽食などを用意したうえで、全員で楽しく遊べるゲームなどを企画したりします。

それとは別に、家族・親戚を招待する誕生日会も開催し、ここでもまた手づくりのパンやケーキを出したりするので、子どもの誕生日前後はとにかくバタバタです。

我が家の場合、今年はロックダウンのため私が子どもたちと一緒にケーキを焼きましたが、例年は義母がケーキを焼いて子どもたちと一緒に飾りつけしてくれます。こちらは義母が子どもと共同制作したケーキです。

ちなみに、デンマークの大人は、自分で自分の誕生日を盛り上げるのが得意です。本人が食事からケーキまですべて用意して家族やゲストに振舞うこともあります。たしかに、そうすれば誕生日に寂しい思いをすることはなさそうですよね。

というわけで、皆さんも良かったら、自分の誕生日を自分で盛り上げてみてください♪

【執筆者プロフィール】針貝 有佳(はりかい ゆか / Yuka Harikai Drejer)
北欧デンマーク在住のライター・トランスレーター。東京・高円寺出身。2009年12月からデンマーク暮らし。カフェ好き、読書好き、アート好き。非日常を味わえるような散歩や旅も好きです。