皆さま、いかがお過ごしでしょうか?こちらデンマークはすっかりクリスマス休暇モードです。

さて、1年の節目ということで、今回は「幸せな国」デンマークを象徴する言葉「ヒュッゲ」についてお話ししたいと思います。世界中でブームになったこともあるデンマーク語のヒュッゲ(Hygge)という言葉を聞いたことはありますか? 

ヒュッゲとは「心地良いこと」を意味します。デンマーク人にとって、心地良さを感じられることは何よりも大切なこと。デンマーク人は日常的に「ヒュッゲしよう」「ヒュッゲだったね」といった感じで、よくヒュッゲという言葉を使います。

ここで皆さまに質問です。皆さまにとって、心地良いひとときとは、どんな時間ですか? 心身ともにリラックスしているのは、どんなときですか? 誰と一緒に過ごしているときにホッとしますか? 

「ヒュッゲ」について書かれた記事や本はたくさんありますが、ヒュッゲのエッセンスはとてもシンプルです。ほっこり温まるような心地良さを感じること。

心地良い空間で、一緒にいて心地良い人と、心地良いひとときを過ごすことです。

デンマークらしい光景。幸せな国では、何もしない時間をゆったりと楽しむ。夏の晴れた日には芝生で日光浴とおしゃべり。

大切な人とゆったりとした時間を過ごすのは最高の贅沢。

それは「楽しい」や「面白い」とはちょっと違います。

大笑いしなくても、盛り上げなくてもいいのです。がんばらずに自然体の自分で、心身が安らいで、その場の心地良い空気感に包まれて、静かに満たされているような感覚です。

デンマーク人の典型的なヒュッゲの仕方は、春夏は、親しい人を招いて庭でバーベキュー、日光を浴びながらテラス席で食事やお茶、ビーチや公園で日光浴、焚き火でパンを焼きながら語り合う、森の散歩、家庭菜園やDIYなど。

夏は庭で食事をすることも。ディナーに招待していただいたときの写真。
左)クラス会でパンを焼いている様子。右)おじいちゃん・おばあちゃんの家でイチゴ狩り。

秋冬は焚き火を囲む、部屋にキャンドルを灯す、暖炉の近くで毛布にくるまって読書をするのもヒュッゲです。

左)焚き火でマシュマロ焼き。 右)冬はキャンドルを楽しむ。

大事なことは、形式や方法ではありません。北欧スタイルをがんばって真似する必要はありません。心地良い空気を感じて、心が満たされれば、その方法はなんでも良いのです。

いかがでしょう。北欧スタイルのインテリアやライフスタイルを手に入れるのはむずかしくても、大切な人と心地良い時間を過ごすことはできる気がしませんか?

2023年は、ぜひヒュッゲなひとときを。

皆さんにとって、幸せな1年になりますように。

幸せの鍵は「ヒュッゲ(Hygge)」です。


【執筆者プロフィール】針貝 有佳(はりかい ゆか / Yuka Harikai Drejer)
北欧デンマーク在住のライター・トランスレーター。東京・高円寺出身。2009年12月からデンマーク暮らし。カフェ好き、読書好き、アート好き。非日常を味わえるような散歩や旅も好きです。