皆さま、いかがお過ごしでしょうか?こちらデンマークはただいま日がとても長く、明るい季節になりました。今回はデンマークのドリンク事情についてお届けいたします。
まず、デンマークに旅行にいらっしゃる方は「水道水は飲めるのか」が気になると思います。結論から言うと、デンマークの水道水は飲めます。普通に蛇口をひねるとそのまま飲めて、臭いなどもありません。ただ、カルシウムやマグネシウムの含有量が高い硬水なので、水まわりには石灰が付着しやすく、白くなってしまうのが難点です。
そして驚くのは、ミネラルウォーターの値段です。商品にもよりますが、たとえば、 コンビニエンスストアなどでミネラルウォーターを購入しようとすると、1本500mlで20デンマーク・クローネ(約350〜400円)ほどかかります。ただ、スーパーではもっと安い値段でミネラルウォーターが販売されているので、デンマークで水を購入するときはスーパーを覗いてみてください。
また、デンマークでは「水」と言うと炭酸水も含まれるので、炭酸なしが「uden brus」、炭酸入りが「med brus」と覚えておくと便利です。「danskvand」と書かれている商品は炭酸水です。
デンマーク人がよく飲むドリンクといえば、コーヒーやビールです。デンマークには世界的に有名なビールメーカーであるカールスバーグ社もありますし、最近はクラフトビールも大人気です。一般的にはピルスナー(ラガービール)が主流ですが、ダークカラーのエール系ビールも品揃えが豊富です。
ちなみに日本ではあまり見かけない飲料もたくさんあります。
デンマークでは、ニシンの酢漬けなど癖の強い食べ物を食べるときには、スナップスと呼ばれる35〜45度の強い蒸留酒を飲みます。小さなグラスに少量入れて飲むのですが強烈な味わいです。
また、ノンアルコールで大人にも子どもにも親しまれているのが「saftevand」。果物のエキスを抽出し、甘みを加えたコーディアルシロップです。カシス・ラズベリー・エルダーフラワーなどのコーディアルシロップが人気で、水や炭酸水で4倍程度に薄めて飲みます。
初夏はエルダーフラワーの季節で、周りに咲いているエルダーフラワーを摘んできて自家製コーディアルを楽しむ人も多いです。作り方は意外と簡単で、砂糖とクエン酸を加えた熱湯に、エルダーフラワーと無農薬レモンのスライスを入れて数日漬けておけば完成します。
皆さんもデンマークを訪れる際には、ぜひ日本にはあまりないいろんなドリンクを試してみてくださいね。
では、皆さんご一緒に、「Skål(スコール / 乾杯)!」
【執筆者プロフィール】針貝 有佳(はりかい ゆか / Yuka Harikai Drejer)
北欧デンマーク在住のライター・トランスレーター。東京・高円寺出身。2009年12月からデンマーク暮らし。カフェ好き、読書好き、アート好き。非日常を味わえるような散歩や旅も好きです。