皆さま、いかがお過ごしでしょうか? 今回は8月にコペンハーゲンで開催されたLGBTQIA+のパレードについてお届けします!
毎年恒例、8月中旬の1週間は「コペンハーゲン・プライドウィーク」で、LGBTQIA+のさまざまなイベントが開催されます。私は最終日の8月20日(土)にコペンハーゲン市庁舎付近の沿道からパレードを観覧しました。
パレードのスタート地点はフレデリクスベア市庁舎広場で、ゴールはコペンハーゲン市庁舎前広場です。道路は通行止めになり、沿道はたくさんの人で賑わっていました。カラフルなレインボーの旗がはためき、街全体がお祭りモードという感じです。
私が参加するたびに感じることは、このイベントは市民の日常の延長線上にあるということです。LGBTQIA+のパレードは、コペンハーゲンでは「特別な人たちの特別なイベント」ではなく、自分らしく生きられる社会を歓迎する「みんなのイベント」なのです。
じつは、デンマークは世界のなかでもLGBTQIA+に対する理解があり、率先して制度の整備を進めている国です。デンマークは1989年に世界で初めて登録パートナーシップ制度を導入しました。2012年には同性婚を認め、2014年には性転換手術の有無にかかわらず公式な性別を変更できるようになりました。また、2017年にはトランスジェンダーを「精神障害」のカテゴリから外しました。
イベントが市民の日常の延長線上にあるように感じられるのは、コペンハーゲンでは普段からLGBTQIA+が寛容に受け入れられているからかもしれません。
パレードに参加する人にもいろんな人がいます。みんながみんな派手な格好をしているわけではなく、派手な衣装で参加する人もいれば、普段着で参加する人もいます。ティーンの若者もいれば、車椅子代わりにカーゴバイクに乗って参加する高齢者もいます。
企業も政党も「企業感なし」「政党感なし」で、とてもカジュアルにパレードに参加しているのが印象的でした。
また、今年のパレードで目立ったのは、さまざまな種類のレインボーフラッグでした。いろんな種類のレインボーフラッグがあり、それぞれに異なる意味が込められているそうです。
たくさんの種類のフラッグがあるので、ここでは紹介しきれませんが、最後に最新トレンドのフラッグをご紹介します。
下の写真の左のフラッグは、いま欧米で主流になっている最新フラッグです。コペンハーゲン・プライドでも羽織っている人がたくさんいました。
イエローに紫のマルは、身体的な性が男性と女性の中間あるいはどちらにも一致していない「インターセックス」を象徴し、斜めに入ったストライプは人種的多様性やエイズで亡くなった人への追悼の気持ちなども表しています。この最新フラッグは、レインボーフラッグのなかでも、多様性を最大限に尊重するためのさまざまな意味が込められたフラッグと言えそうです。
コペンハーゲン・プライドパレードのレポート、いかがでしたでしょうか?
私たちひとりひとりが自分らしく自然体でいられる社会、そんな社会が当たり前になったらいいですね。
いつか機会があったら、皆さまも
「Velkommen til Copenhagen Pride! / ヴェルコメン・ティル・コペンハーゲンプライド(コペンハーゲンプライドへようこそ!)」
【執筆者プロフィール】針貝 有佳(はりかい ゆか / Yuka Harikai Drejer)
北欧デンマーク在住のライター・トランスレーター。東京・高円寺出身。2009年12月からデンマーク暮らし。カフェ好き、読書好き、アート好き。非日常を味わえるような散歩や旅も好きです。