皆さん、いかがお過ごしでしょうか。2022年になりましたね!

ただいまデンマークでもオミクロン株の感染が急拡大していますが、相変わらず、雰囲気は明るいデンマークです。

さて、今回はデンマークでの出産から職場復帰までのお話をしたいと思います。デンマークの出産育児で、まず驚くのは、パパの出産・育児への積極的な姿勢です。

デンマークでは、パパが積極的に子育てをします。

デンマークでは、出産も育児も夫婦が力を合わせて取り組むもの、という意識があります。ママの陣痛が始まれば、パパはたとえ仕事中であっても、仕事を途中で切り上げて、病院に駆けつけて出産に立ち会います。仕事よりも出産に立ち会うことを優先させるのは当たり前で、むしろ子どもが生まれるという一大イベントに駆けつけない父親の方がおかしいという雰囲気があります。

一般的には、病院でパパの立ち会いのもと出産し、たいていはパパがヘソの緒を切ります。第一子の場合は、病院や状況によって多少の違いはあるものの、1日から数日間入院します。病院の方針やママの体調次第で、パパも一緒に泊まることができます。

そして、産後すぐにパパも一緒に授乳のタイミングやオムツ替えなど、赤ちゃんのお世話について看護師さんから指導を受けます。

また、驚くことにデンマークでは妊娠・出産に伴う費用が無料です。

我が家の場合、第一子は黄疸のため1週間入院することになったのですが、1週間分の入院費(個室を含む)が無料で、福祉国家の懐の深さを感じました。

産後しばらくは、看護師が自宅訪問して赤ちゃんの成長をチェックします。

逆にショッキングだったのは、第二子の産後でした。第二子以降は、何も問題がなければ産後数時間で自宅に帰されます。私も産後数時間後には自宅に帰され、息つく間もなく家事育児に追われることになりました。

デンマークでは、パパも産休・育休を取得し、積極的に子育てをするのが一般的で、、

産後2週間は休暇を取得して、ママと一緒に育児に励みます。おかげで育児の初期段階から、「子育ては夫婦の共同作業」という意識をもつことができます。

パパも育休を取って子どもの成長を楽しみます。

また、パパにとってもママにとっても、産休や育休を取得するのは当然の権利です。

パパが数ヶ月間にわたる育休を取得するケースもめずらしくありませんが、たいていの職場の視線はあたたかいものです。

子どもが産まれることはおめでたいことであって、出産・育児のために長期にわたって仕事を休んだり、子どもを優先した生活をするのは当たり前、という共通認識があります。

ですので、子どもが産まれれば上司も同僚も喜んでくれますし、育休中に赤ちゃんを連れてふらっと職場を訪問すれば、みんなが笑顔で出迎えてくれます。

たいていは子どもが生後10ヶ月から1歳になる頃に、保育園通いがスタートし、親は職場に復帰します。デンマークではほとんどの家庭が共働きですが、フレックスタイムなどで時間の融通が利く職場が多く、夫婦で送り迎えや家事育児を分担しています。

デンマークで暮らしていると、女性がキャリアを継続できるのは、子育てを前提としたフレキシブルで働きやすい労働環境、また子育て中のスタッフをみんなで応援する雰囲気があることに加え、パパもしっかり家事育児を担っているからだと感じます。

というわけで、今回はデンマークの出産事情や職場への復帰についてお届けさせていただきました!

日本でもオミクロン株が流行っているようですが、皆さんもお身体にはくれぐれもお気をつけくださいね。

「Pas godt på dig selv!(パスゴッポダセルフ / お気をつけて!)」


【執筆者プロフィール】針貝 有佳(はりかい ゆか / Yuka Harikai Drejer)
北欧デンマーク在住のライター・トランスレーター。東京・高円寺出身。2009年12月からデンマーク暮らし。カフェ好き、読書好き、アート好き。非日常を味わえるような散歩や旅も好きです。